遺留分侵害額請求について③
お久しぶりです。
弁護士法人心札幌法律事務所の弁護士の望月です。
札幌もようやく暖かくなってきましたが、日中と夜の寒暖差に驚かされます。
さて、前回は、遺留分侵害額請求権のうち、遺留分権を有する相続人は誰かについて説明しました。
今回は、遺留分算定の基礎となる財産とは何かについて、説明したいと思います。
遺留分を算定するための財産の価額は、民法によって、明確に定められています。
遺留分算定の基礎財産の算定方法は、分かりやすくまとめると、下記の式のとおりとなります。
【遺留分算定の財産額】
= 相続開始時における被相続人の積極財産の額(遺贈財産を含みます)
+ 相続人に対する生前贈与の額(原則10年以内)
+ 第三者に対する生前贈与の額(原則1年以内)
- 被相続人の債務の額
生前贈与の額については、遺留分権利者に「損害を加えることを知って」された場合には、それぞれ定められている期間より前にされた贈与であっても、遺留分算定の基礎財産に算入されます。
ここで、たとえば、被相続人が、生前、ある相続人に対し、多額の贈与をしていたとします。
そして、被相続人が、その相続人への贈与は、遺留分算定の基礎となる財産に戻さないとの意思を示していた場合、いわゆる、持戻し免除の意思表示をしていた場合は、どうなるでしょうか。
結論からいうと、持戻し免除の意思表示があったとしても、相続人への贈与は、遺留分算定の基礎となる財産の額に算入されます(最一小決平成24年1月26日(判時2148号61頁)参照)。
前々回のブログで説明したように、遺留分制度の趣旨は、相続人を保護するという点にありますので、遺留分権を事実上縮小させて遺留分制度の意義をなくしてしまうことがないよう、持戻し免除の意思表示があったとしても、遺留分算定の基礎となる財産の額に算入されるのです。
今回は、遺留分算定の基礎となる財産とは何かについて、説明しました。
また次回のブログでまたお会いしましょう。



