どれくらいの財産に相続税がかかるか
お久しぶりです。
弁護士法人心 銀座法律事務所の弁護士望月です。
7月とは思えない程の猛暑日が続き、8月はどんな暑さになるか想像もつかず震えています。
水分をしっかりとり、体調にはくれぐれもお気を付けてお過ごしください。
さて、前回のブログでは、相続税の計算のやり方について解説しましたので、今回は、そもそも、どれくらいの財産に相続税がかかるのかについて、解説したいと思います。
1 基礎控除額
まず、相続税は、基礎控除額を超えた場合に、初めて発生します。
この基礎控除額の計算方法は、
3000万円+600万円×法定相続人の数
となります。
具体例を挙げて、説明します。
【ケース1】
夫(遺産額5000万円)が亡くなり、法定相続人は妻と子1人
【ケース2】
夫(遺産額5000万円)が亡くなり、法定相続人は妻と子3人
ケース1の場合の基礎控除額は、3000万円+600万円×2人(妻と子)=4200万円となります。
ケース2の場合の基礎控除額は、3000万円+600万円×4人(妻と子3人)=5400万円となります。
ケース1の場合だと、夫の遺産額は5000万円であり、基礎控除額4200万円を超えていますので、相続税が課税されることになります。
一方、ケース2の場合だと、夫の遺産額の5000万円は、基礎控除額5200万円以下となりますので、相続税は課税されないということになります。
このように、遺産額は同じでも、相続人の数が多くなるほど、基礎控除額は大きくなるため、相続税が課税されるか否かも変わってくることになります。
2 配偶者の税額軽減
法定相続人の中に配偶者がいる場合は、配偶者の相続税の軽減措置があるため、相続税の計算の仕方は大きく変わってくることになります。
配偶者は、受け継いだ財産額が、法定相続分以下であった場合は、その金額がいくら高額であったとしても、相続税はかかりません。
また、配偶者が受け継いだ財産が、1億6000万円以下であれば、相続税はかかりません。
3 おわりに
基礎控除の他に、亡くなった被相続人の生命保険金や死亡退職金にも、法定相続人の数×500万円までの控除があります。
この他にも、場合によっては適用できる控除がいくつかあり、適用の有無で相続税の額は大きく異なることになりますので、判断に迷ったときは、専門家に相談するとよいでしょう。
本日は、どれくらいの財産に相続税がかかるのか説明させていただきました。
また、次回のブログでお会いできるのを楽しみにしております。


