家庭裁判所の判断を経ないでの預貯金の払戻し
お久しぶりです。
弁護士法人心 銀座法律事務所の弁護士望月です。
12月になり、急に寒くなりましたね。
今年も、インフルエンザが流行っていますので、体調には、お気をつけて、お過ごしください。
今回は、家庭裁判所の判断を経ないでの預貯金の払戻しについて、説明します。
預貯金については、遺産分割前は、取得者が決まるまで払戻しを受けることができないのが原則です。
しかし、相続が発生した際、葬式費用などで、資金が必要となることが多くあります。
そこで、相続法改正が行われ、遺産分割前であっても、相続人は、家庭裁判所の判断を経ることなく、遺産に属する預貯金債権の一部について、単独で払戻しを受けることができるようになりました(民法909条の2前段)。
単独で払戻しを受けることができる金額は、各種預貯金債権の額の3分の1に、自分の法定相続分を乗じた額となります。
もっとも、同一の金融機関に対して権利を行使することができる金額は、1500万円が上限となります(平成30年法務省令第29号)。
例えば、夫、妻、子2人の4人家族がおり、夫がなくなったとします。
そして、夫が、A銀行に口座を持っており、A銀行に1500万円の預金があったとします。
この場合、妻は、民法909条の2に基づき、単独で250万円の払戻しを請求できることになります。
今回は、家庭裁判所の判断を経ないでの預貯金の払戻しについて、説明しました。
また、次回のブログでお会いできるのを楽しみにしております。
よいお年をお迎えください。


